写真家 篠山紀信 ネットインタビュー・対談まとめ

 篠山紀信さんは、その時代を代表する人物を撮り続け、「激写」や「シノラマ」など新しい表現方法と新技術で常に「時代」を撮り続けている写真家です。
一部の写真愛好家には「写真ではなく企画で受けた」と批判されることがありますが、被写体に対する誠実さや、そのテクニックはそう真似をできる人はいないでしょう。
知名度が高いだけあって、ネットでもたくさんの記事が書かれていますのでまとめてみました。
このまとめに乗っていない記事を知っておられる方は是非教えていただければと思います。

写真家・篠山紀信氏インタビュー 《篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN》
どうすれば良い写真が撮れるのかって、そんなことは私が聞きたいくらいなんですけど(笑)、昔ね、コマーシャルに出たことがあって、テレビに出演したことがあるんですよ。そのときに何を言ったかというと、『皆さん写真を撮るんだったら、ハッと感じたら、グッと寄って、バシバシ撮りなさい』って言ったんですよ。つまり何かを撮りたいと思ったら『あ、いいな』って感じなくちゃダメじゃない。感じたらまず、グッと寄るんですよ。『ここでいいな』って自分が思う位置よりも。寄らないで(シャッターを)押してもね、対象に対する力が強くならないんですよ。写真を撮るときにもっとグッと寄る。それでとにかくバシバシ撮りなさい。1枚パシッと撮るよりもたくさん撮りなさい。そうするとその中から良いものを選べるじゃない。



インタビュー:篠山紀信 – Time Out Tokyo(タイムアウト東京)
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/アート/インタビュー:篠山紀信
今、こういう非常事態において、写真家の方ができることは何だと思いますか?
篠山:1番プリミティブに言えば、報道ですよね。現場へ行って撮る。でも、写真を見ていても、なんか、変にお涙ちょうだいみたいな、同情をあおるような写真があったり、あんまり好きでないというか。撮っている人がそういうことを感じているのか、メディア自体がそういう風なことをやった方が、読者が喜ぶからやれと言っているのかは知らないけれど、僕が行ったら、もっと違うことを撮っているような感じがします。
「決定的な1枚には想いのすべてが集約される。それが“写真の力”」 篠山紀信スペシャルインタビュー:『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』
シャッターを切る。その間、僕は一言も「笑ってください」だの「元気そうに」なんて余計なことは一切言わない。ただ「カメラを見てください」と言ったときに出てくる、みなさんの複雑な表情を、僕じゃなく、カメラが撮ってくれた。それが“写真力”なんですね。
篠山紀信展「快楽の館」インタヴュー | ARTICLES | IMA ONLINE
―これまで膨大な数のヌードを撮られてきていますが、篠山さんにとってヌード写真とはどんな存在でしょうか?
篠山:目の前の被写体に感じた印象や思いや、イメージを写真にするときにヌードってとても使い勝手が良いんですよ。エロさだけじゃありません。例えば、都市に裸を置く行為は、そこに有るべからずものが風景の中にあるという、日常の非日常だったり、既視感のあるものの別の側面を見せられることでもあります。いわば、自分自身の眼を覚醒させるための装置なんです。現代は、ヌードというと排除すべき対象ですが、やはり欲望を喚起するものなんです。
写真家・篠山紀信はなぜ美術館でヌードを撮ったのか? 写真展『快楽の館』に迫る (1)
――男性のヌードを撮るときと、女性を撮るときと、違いはあるんですか?
構造的に、男性の体は出っ張ってますからね(笑)。隠すのになかなか苦労します。あとはどちらかというと、男性の方が恥ずかしがり屋ですよね。女性は10分もすれば、自分が裸であるかなんて忘れちゃうところがあるんですけど、男性の気持ちをほぐすのは大変です。お世辞を言ったりするわけじゃないけど、モデルになってくれてありがたいという気持ちを全面に出します。リスペクトする気持ちがないと、ダメですよ。
銀座人インタビュー〈第8弾〉その店の空気感を写真に|壹番館洋服店
渡辺:普通は、構えちゃいますよね。
篠山:まずそれをほぐすというか、緊張されないようにするのが一番ですから。僕はどう撮ろうかとフッと考えるときは真剣ですけど、あとはもう世間話とか、冗談を言ってみたり和んでもらって、それで「あっという間に終わっちゃったね」という感じが写真の撮り方として一番理想なんですね。
渡辺:ある種拍子抜けというか。「あれっ、もう終わっちゃったんですか?」みたいなほうが、いいのかもしれませんね。
篠山:「なんだ、もう帰っちゃうの?」みたいな(笑)。そういう感じはずいぶんありましたね。
編 凄くいい写真を撮るためには、やはり、モデルさんに「こういう表情で」など、ご自分のイメージをしっかりと伝えるわけですか?
篠山 それはありません。僕の場合は、撮る側の主体性なんかない。すべて相手に合わせます。
写真は「人ありき」「被写体ありき」ですから。この人を撮るには、スタジオがいいのか町中がいいのか、8×10がいいのか、カメラは何を、レンズはどれを選べばいいのか、その人のよさを引き出すことを最優先に決めるわけです。
中には、モデルの個性とは関係なく、自分の確固たるイメージが先にあって、それを演じてほしいなんてモデルに要求する傲慢なカメラマンもいるけど、そんなんじゃダメだと僕は思うね。そもそもカメラマンなんて、被写体がなければ何にもできません。
絵画や音楽のように、ゼロから何かを創り出すことはできない。カメラマンごときが、自分のイメージがこうだからこうしろああしろなんて言うのは、おこがましいですよ。
[ようこそ、信州へ #001]篠山紀信さん(写真家) | NaganoArt+
ーー今回の展示には 3.11東日本大震災で被災された方たちのポートレートがあります。たとえば昨今の日本国内の少し不穏な空気が流れている中、今の時代をどのように感じていらっしゃいますか? そして、何か考えが写真に反映されることはあるのでしょうか?
 
僕は政治評論家ではないし、大所・高所から偉そうに言う立場じゃない。ただ、僕が生きて写真を撮ってきた中で「本当にこの時代はいいなぁ~!」なんて時代はどこにもありませんでしたよ。生きてるということは不満や苛立ちを持つことなんですよ。完璧な安らぎを与えてくれる時代なんてこの先、たとえあなたが100年も生きたとしてもないだろうしね。まあ、バブルといういい加減な時代はあったけどさ。出版社から取材費もばかばか出て、外国にもどんどん行けて、あちこちで変わったものがどんどん出てくる。まあ、僕は「この時代はけしからん」とか「国会議員のあいつがいけない!」とか思わない。つまり、自分が生きている中で不満があるのだとしたら、どうにかしてその不満を自分の元に手繰り寄せて、それを逆手にとって、うまい写真を撮っちゃう。僕の考えはそっちですよ、健康的でしょ。
篠山紀信、被写体は…金魚!?「人物でも金魚でも『紀信伝心』」 | CanCam.jp(キャンキャン)

WI 初めての金魚の撮影で思い出に残るエピソードとかはありますか?

篠山 初めての体験というのは“驚きの連続”で、それを大切にしなきゃいけない。これはどの写真でも同じ。女の子を撮るのでも、風景を撮るのでも一緒。初めて見る“綺麗”や、“すばらしい”と思う瞬間を「撮る」。もし金魚専門の写真家だったら、こういうふうには撮らないと思うんですよ。でもそんなの関係なく「最初の驚き」だけで撮っている感じ“処女体験”ですよ(笑)。

歌舞伎繚乱「KABUKI by KISHIN 篠山紀信特別インタビュー 見たことのない歌舞伎が写っている」

――演技の極まったところをとらえるのではなく、その頂点に向かう勢いのある一瞬、エネルギーが今にも爆発しそうに燃えたぎる一瞬を、写真にとどめています。

 俳優が乗ってきて、私も乗ってきて、役者に乗り移ってしまったようになるときがあるんです。そういうときは本当にいいですね。歌舞伎俳優が本当に命がけで役に入っている、その一瞬はかけがえのない一瞬です。歌舞伎の神様が降りたその瞬間と、私に写真の神様が降りてきた瞬間。神様と神様がぱっと合わさった瞬間。これがまたすごい。この一瞬が写っているから、形がどうとかいうのを超えたもっとすごいものが写っているのだと思います。

  きれいに決まった写真を見慣れている俳優さんたちも、だんだん篠山の写真は面白いと思ってくれるようになりました。今まで見たことがなかったものをお見せしているわけですからね。掲載した写真はすべて、写っているご本人が出していいと言った一枚です。

  撮影者が消えて、役者がぐーっと出てくるのがいい。私がしゃしゃり出るのはよくない。私はそう思っています。



 

中村勘三郎さん”最後の8年”を撮った篠山紀信さん 「歌舞伎座最前列でも見えない表情とらえる」

−−−勘三郎さんから篠山さんに撮っていただきたいとお声がけがあったということですが、撮ったお写真にどんな反応がありましたか?

襲名の写真が面白かったんだよ。ニューヨークで平成中村座の公演があった時に撮ったじゃないですか。最初、ポラロイドで撮ってみたら、天気が良くてピーカンで、ものすごくいい写真なんだよね。それを勘三郎が平成中村座の楽屋に持って行って皆に「ちょっと見てよ、こんなすごい、いい写真が撮れたよ」って言ったら、「さすがだね、合成上手いね」って言われて(笑)。ニューヨークに行って撮ってるのに、なんで合成なのかって。でも、それくらい本当にぴったりハマった写真が撮れたのね、あれは。

 

 

【VOGUE】篠山紀信さんに聞きました!「僕が歌舞伎を撮る理由」
「『阿古屋』に出てくる「竹田奴」を終演後に僕が演出して玉三郎と一緒に舞台で撮ったもの。本当の芝居にはこんなシーンありません。ひょろひょろひゅう〜と出てくるなんともシュールな人たちです」by KISHIN

 

 

トーク連載「篠山紀信 × ○○」第1回 篠山紀信×箭内道彦×明日花キララ×後藤繁雄 – コラム : CINRA.NET

箭内:いいですねぇ。じゃあ、「篠山さんが撮るワタシ」はどうですか?

キララ:素の部分がすごい出てきますね。

箭内:他のカメラマンとはここが違う! みたいなところってあります?

キララ:面白さっていうかユニークさが、先生の写真にはありますよね。

篠山:愛だよ、愛。キララに愛があるんだよ。他の人はさ、裸にしてエッチな顔させて「あ〜ん」とかやらせればいいってとこあるじゃない? 私の場合はあんまりエロくないんだよね。

キララ:う、うん。

 

「技術の勉強いらない」篠山紀信×Hey! Say! JUMP中島裕翔のカメラ談義

篠山「携帯から入ったのね。ここが全然違うとこ。面白いよね。僕は、ポラもストロボもないアナログ時代から撮ってる。失敗したら何も写ってないなんてこともあったから、ライティングとかすごく勉強したけど、今はシャッター押せば暗いところでも何でも写る。軽くいいものが撮れちゃう今は最高だよね」

中島「すごい時代ですよね」

篠山「今はカメラの技術の勉強をする必要はないよ。技術じゃなくて、大切なのはここ(胸を指して)と、ここ(頭を指して)。感性だね。ふだんから、いい舞台、映画、美術品とか見たりして感性を磨くことが重要。そうするとほかの人とは違うものが見えてくる」

中島「それが肥やしになる」

篠山「そう。いい女とつきあったりね。いい男とつきあってもいいけど。ハハハ」

中島「(爆笑)」

祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.15 篠山紀信さん、クリスチャン・ルブタンさん
祐真朋樹・編集大魔王対談|vol.15 篠山紀信さん、クリスチャン・ルブタンさん

さきほど館内を案内していただいた際にも解説していただきましたが、ヌードを撮る際の感情やモデルの個性の表現方法についても非常に興味深かったです。

祐真 なるほど。ルブタンさんは今回の展示方法が、作品の美しさをより際立たせていたと感じられたわけですね。篠山先生はそのあたりはいかがですか。

篠山紀信さん(以下、篠山) サイズ感についてはそんなに意識はしていませんでしたが、ルブタンさんの視点は面白いなと思います。私自身が見ていただく方にいちばんに感じてもらいたかったのは、自分が今立っている場所に裸のモデルが立って、まさにその場所で撮られたのだという事実。過去と現在が入り乱れて不思議な気持ちになるのは、この美術館が80年前に建てられた建築物だということと元は私邸だということも密接に関係しています。そういう場だからこそ、他にはない特別な雰囲気が出るとも思っています。



Twitterで空の写真をUPところ、意外と評判が良かったので継続。 徐々に写真に興味を示すようになって、スナップ写真にハマり、Sonyのa6000を購入。以後九州テレビの特派員をしつつ、現在に至る。

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